空き家を放置するデメリットの対処法とは?
■放置空き家の弊害は多い
昨今、深刻な空き家問題が増えています。
放置された空き家がもたらす弊害のひとつは、なんといっても周囲への被害の可能性です。
日本の家は、主に木でつくられています。
木造の家は、定期的に窓を開けて換気をするといった適切な管理を行わなければ、いけません。
そうでなければ、あっという間に朽ちていきます。
また、耐震基準が改正された、昭和56年(1981年)より以前に建てられた木造の家は、耐震性が弱い可能性があります。
そのため、少し強い地震や台風で倒れてしまう危険性があるのです。
老朽化が進めば、倒れないまでも、屋根が飛んだり瓦や壁が落ちたりする危険性も…。雪の多い地域であれば、雪の重みで建物が傾く、倒れるといった心配もありますね。
ほかにも、放置された空き家の場合、燃えやすいゴミや枯れ草が散乱していることが多いので、火災の危険性もあるでしょう。
所有者が遠くに住んでいて、人が住んでいる気配のない家には、不審者が寝泊まりするケースも報告されています。
地域によっては、動物が住みついてしまうこともあります。
庭の雑草が伸びれば、景色が悪くなり、虫も繁殖しやすくなってしまいます。
こうなると、近所の人たちの不安は募ることでしょう。
放火や不審者の居住、動物の侵入によって、家としての今後の利用価値も下がってしまいかねません。
何よりも、近所の人たちに迷惑がかかってしまうことを、最優先に考えるべきではないでしょうか。
■空き家を放置するとお金の負担が激増!
ご実家が空き家になるかもしれない、もしくは、すでに空き家になっているデメリットの2つ目のご紹介です。
行政から「特定空き家」というものに認定されると、お金の負担が増えてしまう可能性があります。
「特定空き家」を簡単にいえば、
・ゴミなどで衛生上有害である
・いまにも壊れそうで、危険である
・不審者や動物が勝手に住み着いて、周辺住民の生活に支障をきたしている
といった状態の空き家として、行政が認定するものです。
特定空き家に認定されると、固定資産税が増加したり、行政の指示に従わなければ過料を支払ったりすることがあります。
また、強制的に解体されて、その費用を支払わなければいけない、といったお金の負担が生じる恐れもあるのです。
■土地の固定資産税は6倍に、強制的に解体されれば数百万円の負担も…
固定資産税は、住宅用の土地については軽減する措置があり、本来の計算の6分の1にしてもらっています。
でも、特定空き家に認定されて、行政から改善するよう勧告を受けると、この軽減措置がなくなってしまうのです。
大まかにいえば、なんと土地の固定資産税が6倍に増加!
たとえば毎年5万円だった土地の固定資産税が30万円に増えるとすれば、金銭的な負担は非常に大きくなりますよね。
家の解体費用は、一般的に木造の戸建て住宅でも最低200〜300万円はかかります。
がれきの撤去費用も合わせれば、負担はさらに大きくなります。
行政が強制的に実家を解体した場合、これだけの費用を請求されて、負担しなければならなくなるのです。
強制的に解体が行われることは、まだそれほど多くはありませんが、可能性としてあり得ることは知っておくべきです。
空き家を放置すれば、大きな出費になってしまいます。
物件やご自身の考え、状況によって、適切な対応をしていきましょう。