亡くなってから気づくこともある
◼️相続は「財産」だけでなく、人とのつながりも受け継ぐ
少し個人的なお話になりますが、
5月24日は父の命日です。
あれから月日が経ったいまでも、
当時のことを思い出すことがあります。
父は地元で衣料品店を営んでいました。
地域に根差した商売を続ける一方で、
家ではどちらかというと無口な人でした。
決して関係が悪かったわけではありません。
ただ、多くを語り合う親子だったかと言われると、
そうではなかったように思います。
そんな父と、病気が見つかってから過ごした時間は、
それまでとは少し違うものでした。
限られた時間ではありましたが、
普段以上に話をする機会が持てたことは、
いま振り返ると大切な時間だったと感じています。
そして、父が亡くなったあと、
思いがけない形で気づかされたことがありました。
それは、父が地域の方々や周囲の人たちに、
とても大切にされていたということです。
親戚やご近所の方と話をするなかで、
父がどれだけ人のために動いていたのか、
どのように周囲と関わっていたのかを聞く機会が増えました。
生きているときには知らなかった父の姿を、
亡くなったあとに教えてもらったのです。
人は、亡くなってから見えてくるものもあります。
そして、お金や財産だけではない、
大切なものを受け継ぐこともあるのだと思います。
◼️相続は「手続き」だけでは終わらない
相続の手続きを進めるなかでは、
別の難しさも感じました。
実際に進めてみると、どこに何があるのか、
どのような管理をしていたのか、
わからないことが思った以上に多かったのです。
不動産や預貯金だけではありません。
仕事のこと、お金のこと、普段の管理のしかたなど、
本人しか把握していないことも少なくありませんでした。
大きな資産があるかどうかに関係なく、
「どこに何があるのかわからない」という状況は、
残された家族にとって負担になることがあります。
だからこそ、
相続は手続きや財産整理だけでは、
語れないものなのだと感じています。
普段はなかなか話しづらいこともありますが、
よいタイミングで少しずつ話をしておくこと。
その積み重ねが、将来の安心につながることもあります。
親子で交わす何気ない会話が、
あとになって大きな支えになることもあるのではないでしょうか。

