親の口座が動かせなくなったら…認知症に備えるという選択
◼️家族でも財産を動かせなくなる可能性を理解する
「親が認知症になり、銀行口座のお金を引き出せない」
こうしたケースは、
これからますます増えてくると考えられます。
口座が凍結されると、日々の支払いだけでなく、
不動産の売却や賃貸契約といった
大きな手続きにも影響が出てくるものです。
介護費用や施設への入居費など、
親の生活を支えるためのお金も
視野に入れておくことは欠かせません。
認知症と診断された場合、たとえ家族であっても、
預金や資産を自由に動かすことは難しくなります。
「身内だから大丈夫」
というわけにはいかないのが現実です。
成年後見制度という仕組みもありますが、
実際には親族が後見人になれる割合は
およそ2割程度といわれています。
多くは専門職が担うケースが多く、
手続きの負担や報酬の問題も考えなければなりません。
また、成年後見人の役割は、
基本的に財産を守り管理することにあります。
そのため、不動産を売却するなどの大きな判断は、
自由に進めることはできません。
だからこそ大切なのは、
認知症になる前に備えておくことではないでしょうか。
たとえば「家族信託」という仕組みを活用し、
元気なうちに家族が管理できる体制を
整えておく方法もあります。
どの制度にもメリットとデメリットがありますから、
時間に余裕のあるうちに
検討することが安心につながるはずです。
相続の話は、子どもの立場から
切り出しにくいテーマかもしれません。
でも、認知症対策はご本人にとっても身近な不安です。
そこから自然に将来の話へと広げていくほうが、
話しやすい場合もあるでしょう。
わたし自身も他人事ではありません。
実家を離れて暮らしているからこそ、
なおさら考えさせられるテーマでもあります。
「まだ大丈夫」と思えるいまこそ、
少しだけ立ち止まって、
家族で話す時間を持ってみてはいかがでしょうか。
その小さな1歩が、
未来の安心を支える準備になるのです。

