不動産売却の戦略を立てるときの秘訣とは?
■時間的な余裕を持つ
多くの人は、不動産をできるだけ高く売りたいと考えているものです。
そのためには、下準備や調査が必要になります。
では、高く売るための下準備や調査には、どのようなものがあるでしょうか?
できるだけ時間的な余裕を持つことは、より高く売るために必要な要素です。
売り出したとしても、その物件の認知度が広がるまでに、相応の時間がかかってしまうことがあります。
ですから、どのように広げていくかというところに時間をかけるべきなのです。
■インターネットと「自分の足」で相場を知ろう
不動産を売るときは、最高価格と最低価格を決めることが大切であることを、前回のコラムでもお伝えしました。
価格を決めるときには、基準となる数字が必要ですよね。
その数字は、いわゆる「相場」です。
納得できる価格を決めるには、相場を知っておく必要があります。
不動産の相場を調べるには、自分の目や足で数件でも見ることが欠かせません。
不動産業者へ聞きに行ったり、不動産ポータルサイトで同じ地域の物件を検索したりすることが結果につながります。
最低でも、3社の不動産業者と直接話をしたほうがいいでしょう。
ここで大切なのは、「相場は、あくまでも相場」だと知っておくこと。
不動産は、人と人との取引で成り立つものです。
相場は関係なく、
「この物件であれば、少しくらい高くても買いたい」
という人があらわれるケースもあります。
ですから、時間をかけて、そのような人が見つかる可能性を高めたいのです。
少なくとも、売り急いで安く買い叩かれるようなことは避けましょう。
■最低の価格基準を決める際は譲渡所得税と住民税に注意する
不動産をいくらで売るのか。
これを決めるにあたり、押さえておくべき出費があります。
それは、利益が出た場合の「譲渡所得税と住民税」です。
譲渡所得税は、翌年の確定申告時に支払いが発生し、さらにその年の住民税も上がります。
売ってしばらく経ってから支払いが発生することもあるので、「忘れた頃の譲渡所得税・住民税」といわれます。
最低の価格基準を決めるときに、
「儲けなくていい、損をしなければいい」
と考える人もいます。
でも、最低価格を
「売却価格 ―(ローン残債+仲介手数料)」
で設定すると、譲渡所得税や住民税の支払いによって、結果的に収支がマイナスになってしまうことがあるのです。
譲渡所得税は、基本的に
「(売却価格 ―(取得価格+売却の諸費用))×税率」
という計算をします。
所有年数によって税率が低くなったり、用途によって控除が使えたりする場合もあります。
なお、利益が出ているかどうかについて、
「買ったときの価格より高いか安いか」
「ローン残高を超えた分が利益」
と勘違いしている人も少なくありません。
とくに建物の取得価格(買ったときの価格ではありません)は、税金の法律に則って計算しますので、詳しくは専門家に相談することをおすすめします。
不動産会社は、基本的に売ってしまったらそれでおしまいです。
また、税金に詳しくない営業マンも多く存在します。
売却に関わる税金について、不動産会社から教えてくれることはほとんどないと思っておいたほうがいいでしょう。
「最低限損しない価格」を決めるには、譲渡所得税や住民税も計算に入れる必要があることを忘れないようにしてくださいね。
こういったポイントを押さえて、不動産売却の戦略を立てることが大切です。