サブリース契約は、売却したくても解除できない?
■家賃保証が、売却時の足かせになることもある
不動産投資を始める際、「家賃保証があれば安心」と考えて、
サブリース契約を結んだ方もいらっしゃるでしょう。
ところが、いざ物件を売却しようとしたとき、
その契約が障害になることがあります。
サブリースとは、
不動産会社などがオーナーから物件を借り上げ、
入居者に転貸する仕組みです。
一般的に、オーナーが受け取る家賃は、
実際の入居者が支払う家賃より10〜15%程度
低くなるケースが多く見られます。
とくに、投資用のワンルームマンションでは、
家賃収入が購入希望者の利回りや
金融機関の融資審査に影響するため、
受取家賃が低いと
希望価格で売却しにくくなることがあります。
また、購入後に
管理会社を変更したいと考える買主にとっても、
サブリース契約が障害になる場合があるのです。
その結果、購入希望者が限られ、
売却の機会を逃してしまうことも考えられます。
◼️サブリース契約は簡単に解除できない
サブリース契約では、
不動産会社が借主となるため、
借地借家法によって借主の権利が保護されます。
そのため、オーナーが契約を解除したくても、
原則として「正当事由」が必要になるなど、
簡単には解約できない場合があります。
契約書に
「賃料の6ヵ月分を支払えば解約できる」
といった条項が設けられているケースもありますが、
条件が明記されていないことで、
かえって交渉が難しくなることもあるのです。
実際に、管理会社が解約に応じず、
苦労するケースも見られます。
解約の可否は
契約内容や個別の事情によって異なるため、
現在サブリース契約を結んでいる方は、
とくに「契約解除」「更新」「賃料改定」の条件を
確認しておきたいところです。
なお、2020年12月に施行された、
いわゆる「サブリース新法」では、
誇大広告や不当な勧誘の禁止、
契約前の重要事項説明などが義務づけられました。
ただし、この法律によって、
オーナーが自由に契約を
解除できるようになったわけではありません。
◼️目先の安心だけでなく、将来のリスクも考える
不動産投資において、
家賃収入と賃貸管理は
経営を左右する重要な要素です。
その主導権を管理会社に委ねすぎると、
家賃の見直しや管理会社の変更、物件の売却など、
自分で判断できる範囲が狭くなってしまいます。
わたし自身、サブリース契約は、
オーナー側に不利な条件が少なくないと感じています。
本来であれば、
物件の購入時に契約のリスクについても
十分な説明を受け、納得したうえで
判断することが望ましいでしょう。
家賃保証にはメリットもありますが、
「保証があるから安心」という理由だけで
安易に契約することは避けたいものです。
また、家賃保証がなければ
経営が成り立たない物件についても、
慎重に検討する必要があります。
不動産投資では、購入時の安心感だけでなく、
将来の売却や管理方法の変更まで考えておきたいものです。
サブリース契約を検討する際は、
家賃保証の条件だけでなく、
「売却したくなったときに、契約を解除できるのか」
という点も、事前に確認しておくとよいでしょう。

