税金がかからない家庭ほど気をつけたい、「もうひとつの相続対策」
◼️相続税よりも先に考えておきたい「相続トラブル」
「うちは相続税がかからないから大丈夫」
そう思っているご家庭ほど、じつは注意が必要かもしれません。
相続には、税金よりも先に考えておきたい問題があるのです。
実際、相続のご相談を受けていると、
「相続税はかからないと思っていたのに…」
というケースも少なくありません。
相続で争いが起きた場合、
最終的には裁判にまで発展することもあります。
いわゆる「骨肉の争い」と呼ばれるような状況です。
じつは、相続トラブルに関しては興味深いデータがあります。
遺産分割をめぐって裁判になったケースを遺産の価格別に見ると、
1000万〜5000万円 約43%
1000万円以下 約34%
となっており、5000万円以下のケースが、
全体の約4分の3を占めているといわれています。
5000万円という金額は、相続人の人数にもよりますが、
相続税がかかるかどうかのひとつの目安となるラインです。
つまり、相続税がかからない家庭で、
トラブルが起きているケースが多いとも考えられるでしょう。
反対に、相続税が発生する可能性のある家庭では、
事前に相続税対策や納税準備を行うことが多く、
併せて遺産の分け方についても
話し合われているケースが見られます。
実際、わたしのところにも、
相続に関するご相談が寄せられることがあります。
すでにトラブルになってしまうと、
弁護士の対応が必要になる場合もありますが、
その一歩手前の段階でご相談をいただくことも多いのです。
なかには、相続税が発生するケースで、
遺産の分け方がなかなか決まらず、
申告期限である10ヵ月の最終日にようやく申告書を提出した、
ということもありました。
相続税の申告期限を過ぎてしまうと、
特例や控除が使えなくなる可能性もあるため、
期限内の対応が欠かせません。
◼️家族が揉めないために「元気なうち」に決めておく
こうした状況を見ていると、
やはり財産を残す側が元気なうちに、ど
のように財産を残すのかを
はっきり決めておくことが大切です。
「うちは自宅と少しの預貯金しかないから大丈夫」
「子どもたちは仲がいいので心配ない」
そう考えているご家庭ほど、
じつは思いがけない問題が生じることもあるものです。
場合によっては、
相続人以外の人の意向が関係してくることもあるでしょう。
生前贈与や相続対策には、さまざまな方法があります。
ただし、これらはあくまで手段のひとつです。
本当に大切なのは、
親子や家族の間で財産についての考え方を
共有しておくことではないでしょうか。
どのような形であっても、
早めに準備を始めておいて損になることはありません。
相続は、いざというときに慌てないための準備でもあります。
将来の安心のためにも、
できるところから少しずつ考えておくことが大切です。

