親が元気なうちに、お金の話をしていますか?
◼️認知症になる前に備える
「相続は、親が亡くなったときに始まるもの」
そう考えている方も多いかもしれません。
でも実際には、
親が元気なうちにしかできない準備があるのです。
認知症になると、「契約」という行為に制限が生じます。
不動産の売買や賃貸契約も、
本人の意思確認が明確でなければ
成立しにくくなるものです。
たとえ家族であっても、
自由に手続きを進められるわけではありません。
もっとも、認知症はある日突然進行するものではなく、
初期の段階では判断がしっかりしている時間もあります。
その間にできることもありますが、
本来はそうなる前に備えておくことが
大切ではないでしょうか。
ちょうど50歳くらいの世代にもなると、
自分自身の老後だけでなく、
親の介護や生活についても考えざるを得ません。
早めの対策としてあげられるのが、
「任意後見」や「家族信託」といった制度です。
実際に、認知症になる前の段階で家族信託を活用し、
区分マンションの管理体制を整えたケースもあります。
一方で、認知症発症後に
成年後見制度を利用する方法もありますが、
かならずしも家族が後見人になれるわけではないのです。
専門職が担う場合には、継続的な費用負担も生じます。
◼️名義変更には税金の壁がある
「将来を見据えて、実家の名義を親から子へ変更できないか」
という相談を受けることもあります。
でも、親子間であっても基本的には、
「売買」という扱いになるのが現状です。
その場合、不動産取得税などの税金が発生します。
さらに、市場価格より著しく低い金額で取引をすると、
差額が「贈与」とみなされ、
贈与税が課される可能性も出てくるのです。
贈与という選択肢もありますが、
その際も当然ながら贈与税の問題がともないます。
税金は制度上避けて通れない要素であり、
慎重な検討が求められます。
◼️「元気なうち」が準備の時間
「それなら、相続まで待つしかないのでは…」
と考える方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、どの選択をするにしても、
親が元気なうちに話し合っておくことで、
準備できることは確実にあります。
認知症対策は、
相続対策とも密接に関わっているもの。
将来のトラブルを防ぐためにも、
早い段階で方向性を共有しておくことが、
結果的に家族を守ることになるのです。
いま交わす一言が、
未来の大きな安心につながっていきます。

