不動産や山林を「負担」から「安心」に変えるためにできること
◼️売却前のリフォームは、外観よりも家のなかを整えよう
「売る前にリフォームをしたほうがいいのだろうか?」
「少しでも印象をよくしてから売りたい」
建物が残っている土地(古屋付き土地)を売却する際、
リフォームをしてから売ることは、多くの人が一度は迷うポイントではないでしょうか。
ただ、リフォームはかならずしも必要なことではありません。
実際に
「リフォームはしたほうがいいですか?」
と正解を求められることが多いのですが、極端に言えば
「やりたいと思えばすればいいし、無理にしたくないならしなくてもよい」
と考えています。
もちろん、リフォームをすれば多少は高値で売れる可能性はあります。
でも大切なのは、そのための費用をどこまでかけられるか、という点なのです。
この質問を受けたとき、わたしはいつも
「どちらでも大丈夫ですよ」
とお答えしています。
というのも、リフォーム済みの物件を好む買い手もいれば、
手を入れない状態で購入し、
自分好みにリフォームしたいと考える買い手もいるからです。
なお、リフォームをする場合に最低限意識しておきたいのは、
キレイに整えておくことです。
とくに、外観よりも室内の印象が重要ですので、
壁紙や床に優先的に予算を使うのがおすすめです。
水回りまで手を入れられれば理想的かもしれませんが、
実際には買い手の好みによって分かれる部分でもあります。
そのため、かならずしもそこまでリフォームする必要はないでしょう。
◼️山林を譲り受けたら、早めに売ってしまったほうがいい
実家の不動産とは少し違いますが、
近年話題になることが多い「山林」についても触れておきます。
相続によって山林を譲り受ける予定の方や、
すでに譲り受けてどう扱えばいいか悩んでいる人もいるかもしれませんね。
「山林には、価値などないだろう」
と考える人も少なくありませんが、
実際には価値を持つケースもあるのです。
たとえば、その山に生えている木材に需要がある場合もあります。
最近では、「自分の山を持ちたい」と購入を希望する人も増えてきています。
山林の取引を専門に扱う不動産会社も存在しますので、
かならず売れると断言はできませんが、
一度相談してみる価値はあるでしょう。
ここでお伝えしたいのは、
「山だから…」と最初から諦める必要はない、ということです。
ただし基本的には、山林はどのような形であっても、
できるだけ早めに処分してしまったほうがいいと考えます。
その理由は、山林には「管理責任」がともなうからです。
たとえば、豪雨によって土砂崩れが起きた場合。
法律上の判断による部分もありますが、
所有者として管理責任を問われる可能性があります。
一度損害が発生すると、適切に対応していなければ、
その後に大規模な災害が起きた際には、
さらに責任を負うリスクが高まるのです。
そのため、二束三文であっても、あるいは無料であっても、
引き取ってくれる人がいれば
処分してしまうのが賢明だとわたしは考えています。
不動産も山林も、正しい知識を持てば「負担」ではなく、
「安心」につなげることができますよ。