更地にしなくても売れる、古屋付き土地の意外な活用法
◼️「古屋付土地」として売り出す方法もある
築古の家を持て余しているのであれば、
意外な売却の選択肢があることをご存じでしょうか。
築数十年が経過した実家を売却しようとすると、
「古い家にはもう価値がないのでは?」
と考え、解体して更地にしなければ
売れないと思う人も少なくありません。
ただ、解体には数百万円もの費用がかかるため、
決して軽い負担ではありません。
そのような場合には、「古屋付き土地」として売り出す方法もあります。
土地を探している人にとっては、
更地のほうが売却しやすく、
価格もつきやすいのは事実です。
でも、実家がまだ使用できる状態であれば、
建物を残したまま販売するのもいいでしょう。
建物の状態によっては、
「古屋付き土地なら、賃貸に回せるかもしれない」
と投資目的で購入を検討する人があらわれることもあります。
また数は多くありませんが、
建物自体を気に入って住居として
購入したいという人が出てくる可能性もあるのです。
多くの不動産業者は、
法定耐用年数を超えた建物について「価値がない」と判断し、
解体をすすめるケースがあります。
たしかに更地にしておけば、
買い手は解体費用を負担せずに済むため、
その分だけ高い価格で売れやすいというのも事実です。
言い換えれば、解体費用を売主が負担するのか、
買主が負担するのかの違いにすぎません。
とはいえ、建物が残っているからこそ
売却につながる場合もあります。
そのため、建物が古いという理由だけで、
かならずしも急いで更地にする必要はないのです。
◼️維持コストを考慮して前向きに決断する
不動産を所有している以上、
固定資産税や都市計画税といった維持コストは避けられません。
空き家を数年間持ち続けるとなれば、
その分の税金だけでも相当な負担になります。
さらに「特定空き家」に指定されてしまうと、
以前お伝えしたように土地の固定資産税が
一気に高くなってしまいます。
加えて、住宅というのは人が住まない状態が続くと、
あっという間に老朽化が進みます。
そのため、定期的に家に立ち寄って換気をする、
台風で屋根が飛んで近隣に迷惑をかけないよう
修繕を行うなどの対応が必要です。
こうした管理には、
時間もお金も決して少なくない負担がかかります。
「自分ではもう実家の管理を続けられない」
そう考えて、どうしても手放さざるを得ない場合もあるでしょう。
そのときには、思い切って相場より
かなり安い価格で売却してしまうのもひとつの方法です。
「路線価や市場価格に比べて、こんな安値で…」と、
金額にこだわり続ける必要はありません。
ただし、価格をあまりにも低く設定しすぎると、
不動産会社の動きが鈍くなることがあります。
そのため、仲介手数料以外の部分についても、
一定の配慮が必要です。
選択肢を知ることで、思いがけない価値を見いだし、
安心して次の一歩を踏み出すことができますよ。