実家の相続で揉めるパターン2
■可能な限り親が認知症になる前に対策をとろう!
前回のコラムでは、
不動産の名義に関する重要ポイントをご紹介しました。
今回は、トラブルになる要因の2つ目として、
認知症の問題をお話ししましょう。
親御さんが高齢になり、
施設に入ることになるのはよくあるケースです。
施設によっては、
入居金としてまとまったお金を支払う必要があります。
いざ実家を売却しようとした際、
親御さんが認知症になっていれば、
売れない可能性が高くなってしまうことも…。
同様に、賃貸に出すことを考えても、
それも難しくなってしまいます。
生前の対策と認知症は、永遠のテーマかもしれませんね。
むしろ、相続の問題よりも、
認知症になってしまう前に対策をとっておくことが重要なのです。
■相続人以外が口を挟むとトラブルになりがち
実家の整理など、
処分をはじめとした相続に相続人が口を出すのはよくあることです。
じつは、これもトラブルの要因になります。
以前のコラムでも少し触れましたが、
相続人ではない配偶者が口を挟むと、
たとえ兄弟姉妹の仲がよくても、
話が複雑になってしまうのです。
もちろん、それぞれに事情もあるでしょう。
でも、
「少しでもお金がほしい」
と主張されてしまうと、
揉めて問題に発展するケースが多くなります。
結論としては、
相続が発生する前に被相続人が
財産の配分方法を明確に決めておき、
遺言書を作成しておくことが最善の方法でしょう。
■時間がかかる残置物の整理は業者に依頼するのもひとつの方法
もうひとつ、残置物の問題も決して無視できないことのひとつです。
相続における残置物とは、簡単にいえば、
実家に居住していた人(相続後であれば故人)の所有物です。
家具や洋服、ゴミなどすべてを含むものですが、
これが意外と問題になることが多くなっています。
まず、生前であっても相続後であっても、
残置物を整理できなければ、
売ったり貸したりすることが困難になる可能性もあるでしょう。
とくに近年はコロナの影響もあり、
物件が遠方にある場合、
なかなか実家に足を運ぶのが難しい状況もありました。
ただでさえ、基本的に残置物の整理は時間がかかるものです。
また、一見ゴミのように感じるものでも、
じつは価値の高いものだった、ということもあります。
そのため、慎重に対応しなければ将来的に相続人の間で
トラブルに発展しがちです。
さらには、相続税の計算にも影響が及びます。
残置物の整理が問題になるのは、相続後が一般的ですが、
可能であれば事前に生前整理を行い、
早めに対応しておいたほうがいいでしょう。
外部の専門業者に依頼するのも、ひとつの方法です。
業者に依頼すれば、
整理できるだけでなく処分することもできます。
場合によっては、換金できるものもあるかもしれません。
ほかの相続人への報告・相談を怠らなければ、
大きなトラブルには発展することは
避けられるのではないでしょうか。
いずれにしても、スムーズに相続を行うためにも、
事前にできることは早めに進めておきましょう。