実家の相続で揉めるパターン1
■不動産の共有名義は避けよう
「実家の相続で兄弟と揉めて仲が悪くなってしまった…」
「相続の分配に納得がいかない…」
このような経験をされた方も多いのではないでしょうか。
実家の相続は大きなことですが、
できるだけトラブルにならないようにしたいものですよね。
今回は、実家の相続に関して、
揉めるパターンやトラブルになるパターンについて説明していきます。
もし、トラブルが発生しても原因を把握しておけば、
事前に対策を打ちやすくなります。
まず、あとでトラブルに発展するもっとも大きな誤りは、
不動産を共有名義にしてしまうことです。
とくに、兄弟姉妹間で適切な分配方法がわからない場合や、
みんなに平等にするために共有名義にしてしまうケースもあります。
これは、あとで揉める原因になるので、絶対にやめておきましょう。
そもそも共有にすれば、
将来的に売却を考えたときに、全員の合意が必要です。
その際、兄弟姉妹の誰かが亡くなっていれば、
子どもが代襲相続人になります。
場合によっては相続人が10人を超えて、
さらに海外に住んでいたり連絡がとれなくなっていたりすると、
大変な手間がかかってしまうのです。
たとえば、相続手続きをしないまま、
亡くなった親御さんの名義にしておいた場合も、
同じような問題が起こります。
令和6年(2024年)4月から、
相続登記が義務化されますので、
早めに対応しておくことが重要です。
■不動産は「一物三価」または「一物四価」
不動産には、「一物三価」という言葉がよく使われます。
これは、同じ不動産であっても、
3つの公的な価格が存在する、
ということを意味します。
具体的には、
取引価格の目安という意味合いの「公示価格」、
相続税における評価額である「路線価」、
主に固定資産税を計算するための「固定資産税評価額」の3つです。
ここに、「実勢価格(市場で取引されている価格)」を加える人もいます。
これにより、「一物四価」になることもあるのです。
ちなみに、「三価」を価格が高い順に並べると、
基本的には公示価格→路線価→固定資産税評価額となっています。
たとえば、数人で共有している不動産があり、
ある共有者がほかの共有者に自分の持分を買い取るよう依頼した場合、
価格設定に関して、さまざまなパターンがあるということです。
購入する立場からすれば、
できるだけ安く買いたいと思う一方で、
売却する立場はできるだけ高く売りたいと思うもの。
「不動産は一物三価」または「一物四価」と理解したうえで、
円滑に話を進めたいと思うでしょう。
とくに、市場価格としての実際の取引価格を
把握しておくことが重要です。